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Vol.1
ゲスト:湾岸の妖精のらえもん
映像ディレクター篠藤豊和
INVITATION代表竹田大輔
鼎談
1
ゲスト:湾岸の妖精
のらえもん
映像ディレクター
篠藤豊和
INVITATION代表
竹田大輔
のらえもん

「人生最大の買い物の一つ、マイホーム(マンション)を人よりちょっとだけ賢く買うには?」をメインテーマに、豊洲・東雲・有明・晴海・勝どき・月島といった湾岸地区の新築中古マンションと周辺地域情報を紹介するブロガー。徹底的に消費者の立場に基づいたスタンスが、多くの読者の支持を得ている。またの名を「湾岸の妖精」。

⇒「マンション購入を真剣に考えるブログ」
https://wangantower.com/

知られざる、マンギャラの世界

ニッチな領域の仕事が多いINVITATIONが行う、ニッチな座談会。栄えある第一回のゲストには、「湾岸の妖精」ことマンションブロガーのらえもんさんをお呼びしました。
作り手と受け手側というそれぞれの立場で、マンション業界プロモーション事情について表から裏からの大放談!(心の声:ご相談にのっていただいた、どエンド君師匠!ありがとうございます!)
本当は「リアルな購買体験ガー」とか「デジタル技術ガー」とか「企業の購買チャネルをクリエイティブにー」とかカッコよくお届けするはずが、「マンション・ポエムって何で生まれちゃうの?」とか「湾岸タワマンやっぱヤバくね?」とか、話がアチコチに行ったり来たり。とはいえ、マンションに少しでも興味がある方や、プロモーション業界を知りたい方にとっては、かなり読み応えがある内容(のハズ)です! ぜひぜひご一読を!
竹田
タワマン購入を考えたことがある人なら、その名を知らなかったらモグリというほど人気ののらえもんさん。もちろん僕たちはよく分かっていますけど、あらためてズバリ、何者なんです
のらえもん
私はいちバーチャルネットアイドル妖精かつ、いち消費者でありまして、業界人でもなんでもありません。主に湾岸タワーマンションの購入をお考えの方に、マンションや湾岸地域を紹介するブログ(https://wangantower.com/)を運営しています。その中でも、モデルルーム、マンションギャラリーへの訪問記はかなりアクセスが多い人気のコンテンツなんです。なので今日は、制作の裏側を根ほり葉ほりしつこく聞くつもりで来ました。
竹田
はい。よく我々の担当プロジェクトをブログに掲載していただいてるので、一度対談してみたいねということになりまして。恐れ多くもあの手この手を使って召喚させていただいたわけですが、お手柔らかにお願いします。
のらえもん
いやいや、確かにたまにツッコミは入れてますけど、私自身、マンションギャラリーやシアターってすごく好きなんですよ!だからものすごく観察しています。ツッコミは愛情あってこそということで(笑)。観察してきた印象では、シアターがド派手に、面白くなってきたなと感じたのは、東京湾岸の江東区がタワーマンション建設の主戦場になったあたりからではないでしょうか。そこで今の大規模マンションのプロモーションのスタンダードが作られたのではないかと思います。
篠藤
私、東京湾岸のド派手系のほとんどに携わってますね(笑)
竹田
おお、これは数々の名作マンションシアターを手掛けた、映像監督の篠藤さんじゃないですか。
篠藤
わざとらしい紹介ありがとうございます。
のらえもん
これは質問しがいがありますね(笑)。マンションシアターとひと口に言っても、デベロッパーごとに色が違いますよね。丸の内のデベだと質実剛健とか、東八重洲のデベだとそれこそド派手でめっちゃキラキラしてる。日本橋のデベは、なんだかプレゼンっぽい(笑)
篠藤
キラキラ系シアターを湾岸で流行らせた張本人です(笑)。確かに、企業の色には合わせていますね。八重洲のデベならモデルは外国人で、アーバン!キラキラ!なゴージャスな感じ。自分たちが手掛けたコピーの中で八重洲のデベらしさ全開なのが「ときめくために生まれた。」これ、最高に気に入ってるんですけど(笑)。
のらえもん
「ときめきをシェアする摩天楼」(笑)‼ 有明のプロジェクトですね。これは心の中で大爆笑&大喝采しました。
竹田
作ってる方も、だいぶニヤついてましたよね。

のらえもん
この「ときめき」という言葉を使ったアゲ方は日本橋のデベのシアターではないでしょうね。ゴージャス系にもいろいろありますよね。例えば有名な外タレさんが出る場合は、相当制作費も上がってしまいますよね?
竹田
それはそうなんですけど、外タレが日本に来るときは他の仕事も一緒に受けてパッケージで対応している事が多いんですよ。
篠藤
だからうっかり雰囲気が似てしまうことも……(笑)
のらえもん
あ、世界的な某女性アーティストの起用もありましたが……。
竹田
すみません、それも含めてタレントさんの件は話が生々しすぎるのでノーコメントでお願いします……。
篠藤
でも実際、タレントブームは一段落したんです。ファンが多いタレントを起用したからといって、実際に購入を考える人にはなかなか刺さらない。だからタレント起用って今は少ないと思います。勝どきのプロジェクトの時に、タレントを起用する案でなく、三位一体(「中央区」×「港区直結」× 「水都緑景」)を3色の布で表現したアイデアが採用されたんです。そのときに、もう大規模=タレントって時代じゃないんだなっていうのは思いましたね。

竹田
かなりの規模のプロジェクトだと起用の価値はあるのでしょうが、マンションの商圏は全国区ではなく限られた区域ですからね。
のらえもん
確かに、マンションは販路がはっきりしている分、タレントに頼る必要性は低いのかもしれないですね。
篠藤
マンギャラやシアターって購入者の背中を押すことが大事。タレント起用は、認知してもらうには効果的なんだけど、「買おう!」という最後の一歩を踏み出させるものにはなりにくいんですよね。

マンション・ポエムはなぜ生まれる?

のらえもん
最近一般の人にもイジられはじめたのが、マンション広告の独特なキャッチコピー、いわゆるマンション・ポエム」(https://ganbaru.mcury.jp/144)ですよね。あれって、どのぐらいからはじまったものなんでしょう?
篠藤
10年くらい前から徐々に、ですね。マンションの広告は公正取引委員会の指導があるから、事実以外言っちゃいけない。例えば「人生最高のタワーをあなたに」はアウト。「客観的に見て最高とは言えない」わけで、最上級表現は全部NG、それ以外で「なんかすごい」っていうか、インパクトのある言葉とかコピーを考えてると段々よく分からない言葉になる。その結果がポエムなんです。
竹田
作ってる人間がよく分からないって……(笑)。マンションのプロモーションはプレイヤーがあまり変わらない。だけど一時、マンション業界以外のプレーヤーを使うブームがあってね、その中で言葉がうまい人がいたんですよ。
篠藤
僕は映像監督だから、ポエムはあまり使わないですよ!クリエイティブ・ディレクターとしてコピーも監修したのは横浜磯子に建設されたティアラをモチーフにしたプロジェクトからですね。僕はマンションは立地が大事だと思ってるので、立地の特徴を連想させることを大事にしています。丘の頂点っていう特徴をコピーで表現したりとか。
のらえもん
あれはすごく良かったですね。立地の魅力が際立ってた。
竹田
まあ宣伝の基本ツールはチラシ・DMだった背景もあり、ポエムという「魔法w」を使うしかなかったんだよね。
篠藤
マンション・ポエムって、英語に訳せないしね(笑)。 英語版をつくるときに、翻訳家が困るんですよ(笑)。「この“ときめき”っていうのは何に係ってるの? 誰のときめきなの? いったい何を伝えたいの???」って。
竹田
訳すと、それはもう長くなってしまって、もはやコピーじゃない(笑)
のらえもん
コンパクトにインパクトを出す、なんかもう俳句の世界ですね。

シアターは「キラキラ」から「ヒューマン」へ?

竹田
しかしですね、有明のプロジェクトをやって思いましたけど湾岸のマンギャラってめっちゃやりやすいわけですよ!
のらえもん
と言いますと?
竹田
そりゃもう、ハデにドカーンと演出できる。
篠藤
湾岸ブームでキラキラ感、ゴージャス感を出す路線が王道になったんです。「タワマンは夢なんだ、ドリームだ‼」っていう時代だった。例えば有明の定番は外国人モデルにピッカピカの車とか。
のらえもん
有明は2009年ぐらいですよね。
篠藤
そうですね。「覚めることのない夢 ザ・ドリーム」とか。明るいところで見ると笑っちゃうかもだけど、シアターで見るとドキドキしてくるでしょう。
竹田
よく考えたら「夢」しか言ってないな!
のらえもん
これはめちゃくちゃ印象深かったですね。なにしろシアターがおもしろ過ぎた!なぜか『メタル○ア』のオマージュで臨海副都心を紹介していったり(笑)

篠藤
この頃の湾岸のシアターは、「映画1本作るぞ」ぐらいの気持ちでやってましたからね。
のらえもん
でも震災後、打ち上げ花火っぽいのがどんどんなくなっていって、急速にキラキラしなくなった印象があります。ヒューマン系路線というか。
篠藤
感動系っていうのが震災前から徐々に増えてきましたね。ドリームはドリームなんだけど、もっと身近な、「家族の絆」とか「暮らし」を想像させるもの。新船橋では父娘のストーリーに、某有名ミュージシャンの音楽を使った感動系のシアターを作ったんですが、マンションのこと何ひとつ言わない潔さでかえって有名になりました(笑)
のらえもん
MVかと思いますね。見ている間マンションのこと忘れてた(笑)

篠藤
父娘がバージンロードを歩く5分間の回想の中で「帰れる故郷があるっていいよな」ってことに気づくVTRなんです。つまりマンションの周りにあるコミュニティの魅力を伝えてるんですよね。
のらえもん
これは女の子を持つお父さんが見たらイチコロなのかもしれないですよね。豊洲で宇宙飛行士が出てきた感動系がありましたよね?
竹田
今まったく使われてないという望遠鏡案件ですね。来場者的には泣いたんですかね?
のらえもん
いやいや僕は心の中では満点を出しましたよ!広大な庭と屋上の天体望遠鏡が物件の売りなのでそれを活かしきってますよね。
篠藤
共用部がすごくって、なんと屋上に天体観測ドームがある。ここで育った子どもたちが夢を育み、それを実現できるマンションっていうコンセプトなんですよ。
竹田
なんで宇宙飛行士やねん!と思ったら、そこで育った子どもの将来の姿だったというストーリー。シアターのスクリーンが灰色で映像の色が悪く見えて、それが最大の汚点プロジェクトですね(あんな提案どこがしたんや……)。

のらえもん
でもさっき話に出た勝どきにできたトライスター型のタワマンなんかは超王道系ですよね。
竹田
まさに得意技(笑)。ロマンスグレーの男性外国人モデルが「森羅万象」とか、めっちゃ日本語しゃべってる!
のらえもん
モデルルーム全体の設計含めて、傑作のひとつだと思いますよ。ツッコミどころはいっぱいありますけどね。勝どき物件なのに勝どき橋以外は全部銀座のシーンとか(笑)
篠藤
これはオーディオコメンタリーをつくりたいぐらい一個一個のシーンにめちゃくちゃ意味があるんですよ、タクシーのメーターとか(笑)。このシアターの主役が外国人なのも立地や商品の良さを客観視で語らせたかったから。例えばこの建物はクオリティが本当に高い、日本の建築技術は凄いって台詞を、手前味噌にならないように住んでる外国人の目線で言わせたわけです。

のらえもん
このシアターの後にでてくる3Dホログラムのマンション解説もめちゃくちゃ面白くて魅せてくれるんですよね。もうここまでくるとアトラクション。
竹田
このプロジェクト以降、「ドカーンとした演出は湾岸だけにして」っていうオーダーが増えましたわ。まあ、確かにほかのではやれないテイストでしたね。

マンションシアターの役割とは?

竹田
そもそもマンションシアターって何のためにあるのという話をそういえばしてなかった。
のらえもん
今ですか(笑)
篠藤
マンションって売り物であると同時に「夢」なんですよね。ローンを組んで、人によっては一生をかけた買い物です。だからそこには夢を描く必要があるんです。ギャラリーにも「欲しいな」と思ってる方たちが来るわけだから、否定的な考えを持っているわけじゃない。
竹田
のらえもんさんみたいなツッコミ目的の人は、まあ少ないですよね。
のらえもん
私だって非常に肯定的に見てますよ!
篠藤
でも、自分の判断が正しいのかっていう不安はあるんです。だからこそ「大丈夫ですよ、明るい未来がありますよ」って背中を押してあげることが大切だと僕は思っています。
竹田
販売する側も見てくれてるって聞くよね。
篠藤
そうそう。営業サイドでも「本当に商品の魅力を伝えられるかな」と不安になったときにシアターを見て「いいマンションだ!」って再確認することもあるらしい。購入したあとに「この映像が欲しい」って言う方も結構いらっしゃるそうです、親や家族に見せて安心させたいということで。僕としてもそういうものを常に目指したい。
のらえもん
タワーマンションのシアターって、そこに住む人たちにとっての建国神話みたいなものです。そこの地域に、大きなひとつのコミュニティを作ってしまう。シアターの中にそういう夢を見て、そこに感じるものがあった人が購入へと進むんだと思います。シアターに対して、「物件そのものの価値になっていない」と否定的な人もいますが、僕はあった方がいいと思います。夢を持って次の新生活へ入ろうという前向きな気持ちになれるものであれば、それは作った方がいい。
竹田
20年前だと、都心部の分譲マンションを一般の会社員が買うという文化はあまりなかったよね。サラリーマンの家といえば、郊外の一軒建てか、都心ならば賃貸。
篠藤
そう、つまりマンションシアターは新しい文化に合わせたプロモーション手法なんです。でも忙しい中で来てくれた人を約10分間も拘束するというのはけっこうな責任です。貴重な時間を奪っているんだから「見てよかったな」「気づきがあったな」って思えるものじゃないと失礼だと思っています。

湾岸 コレマデとコレカラ

篠藤
湾岸はブームが来る前は本当に何もない土地でしたからね。当時の有明にマンションを建てたデベっていうのは、業界では常識外れでした。
のらえもん
オリゾン マーレ(2004年)ですね。
篠藤
何にもない荒野に、突然バーとかプールがあるリゾートマンションをつくってみたら、それがけっこう人気になって。
のらえもん
あの当時はまだ豊洲までゆりかもめが出てなかったですもんね。
篠藤
湾岸でリゾートマンションが成功すると、今度は財閥系デベが大規模マンションを作ってそれにも結構反響があったんです。そこからは利便性もよくなっていって、どんどん開発が進んだ。
竹田
本当にきれいになりましたからね。湾岸は。もう香港か湾岸かって思いますよ。
篠藤
豊洲、有明、東雲とか、東京のウォーターフロントでリゾートマンションに暮らす。そういう文化が5~6年で一気に定着しましたからね。
のらえもん
臨海副都心は、もともとは遊びに行く場所という印象でしたね。工場跡地の豊洲、東雲含めて、同じ湾岸でもビジネス街である品川や港南とはまた違いますね。
篠藤
最近は世界的な都心回帰の潮流もあって港区側の湾岸にもタワマンが増えているけれど、価格がもはや一般の人が買えるレベルじゃなくなってきています。
のらえもん
価格が坪400万とか500万とかですからね。
竹田
でも世界的にみると安い。香港のセントラルあたりは坪4000万。地震がなければもっと外国人も注目して高騰していると思います。
篠藤
だから江東区側の湾岸っていうのは、最後のフロンティアなわけですよ。
竹田
すでにドラマの舞台って湾岸になってきていますよね。用賀、桜新町、成城でトレンディドラマを撮る時代ではない。
のらえもん
本当ですね。湾岸地域歩いてると本当によくロケを見かけるようになりました。車のCMでも都会的なイメージを出す時はだいたい湾岸。
篠藤
最近、新宿のデベ案件の「越中島」って場所で、地名を読み間違えさせるっていうシアターを作りました(笑)
のらえもん
「こしなか……じま?」(笑)。あれは吹き出しました。
篠藤
まだまだ湾岸には掘り出し物があるんだぞ!っていう意味であえてやりました(笑)。湾岸の妖精がいるから持ち上げるわけじゃないけど、湾岸ってまだまだ可能性があると思う。

のらえもん
中央線も人気がありますけど、中央線には妖精がいない(笑)
竹田
中央線の妖精、なんかダメそうだなあ……。
篠藤
湾岸はオリンピックに向けてもうひと盛り上がりしそうです。
のらえもん
まだまだこれから物件出てきますしね。だからオリンピックまでは妖精として生きようかなと(笑)。
篠藤
最後の仕上げ(笑)。
のらえもん
選手村の入居が始まるくらいで10年選手になるので、そのあたりで引退しようかな。
篠藤
選手村のある晴海は中央区のアドレスなので、湾岸の中でも特殊。晴海の、ららぽーと側に3本タワーが建っているんですけど、中央区アドレスで目の前が海っていう希少性がある。駅から遠い以外はとても良いマンションなので、同業者も結構買っています。
のらえもん
リチャード・マイヤーが手掛けたマンション! あれはデザインがいいですね。あそこのコンセプトムービーは7メートルぐらいのリチャード・マイヤーが出てきて、椅子に座って「ここはこうデザインした」っていう説明をし始めるっていう(笑)
篠藤
ちなみに私のシアターじゃないです(笑)。江東区では豊洲駅からは少し遠いけどワンダ○ルなプロジェクトがザ・湾岸って感じですごくよかった。湾岸では、大きくは大規模商業施設の近くか、海の近くかという二つの選択肢があるんだけど、個人的には後者の方が湾岸らしいし、後から希少価値が増すと思います。

未来のマンションギャラリーって??

竹田
でも残念ながら、オリジナリティを意識したエンタメ的なマンギャラも随分と少なくなりましたね。新しいプロモーション手法として生まれて、成熟を迎え、正直衰退しつつあるような気が……。コピペ的な手法も増えつつあるしね。
のらえもん
とはいえ、勝どきのホログラムもそうですし、越中島だとVRやARも使っていましたよね。チームラボがデジタルアートミュージアムを作っているみたいなエンタメ化の道はどうなんでしょう?
竹田
現状だと新しい手法として使えてはいるけど、継続するにはマンギャラには向かない手法かもしれない。VRだと女性のお化粧への配慮はどうするのというのもあるし。
篠藤
シアターの演出については、王道は絶対残っていくけれど、都心型とか湾岸とかを含めて、僕の中の未来予想図では、「ナレーション」や「言葉」で押していくものじゃなくなって音楽と映像美だけで、外国人が見ても「いいな」って思えるような表現方法になっていく。つまり日本語の煽りや、ポエムがなくなるっていうこと。
のらえもん
能の舞が極限まで研ぎ澄まされるみたいな(笑)
篠藤
そうそう、印象と感覚だけで良さを伝えていくようなシアターが台頭してくると思います。海外の高級タワーレジデンスのシアターって、ほとんどが音楽と映像だけ。海外では外国人の比率が高いので、タイの高級マンションをタイ語で説明してたら誰も買わない。ターゲットが英語圏だけでなくアラブやアジアと多様なので、言語に頼ってちゃダメなんです。
のらえもん
そうですね。言葉とテロップ芸に頼らないものって見てみたい。
さて、いかがでしたでしょうか?
まとまらない話に終始するのかと思いきや、さすが湾岸のマンギャラの変遷を見続けてきたのらえもんさんだけあって、3時間(!)という長さの鼎談の中に貴重なヒントがゴロゴロと転がっておりました。「マンギャラを買うならシアターの演出は絶対必要!」というご意見も心強かったです。
マンションシアターは「都心の超高層マンションがこれから来るぞ!」というまさに新時代の始まりとともに需要が高まっていきました。「マンションを買う」という、これまでにない大きな決断を促すため、ド派手だったり、感動だったり、あの手この手で背中を押す必要があったわけです。
しかしタワマンの建設ラッシュを経て時代は変わり、のらえもんさんのようなマンションブロガーの登場も相まって、購入者のマンションに関する知識も段違いに深まっていきました。ある意味野球やサッカーなんかのスポーツ観戦感覚で、ワイワイガヤガヤとマンションについて論じるカジュアルな空気が醸成されているのは、非常に新しく、おもしろいなあと感じています。
鼎談中にもあるように、坪単価〇千万なんていう高額案件も増えていく中、マンションプロモーションはこれからどんな方向を目指していくのか。海外型販売手法も取り入れながら、日本の独自性も取り込んだプレゼンテーションをどう生み出していくのか。われわれにとっては、難しいながらも非常にエキサイティングでおもしろい時代になってきたなと改めて背筋を正すのでありました!

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